
大阪市で介護施設への入所を考え始めたとき、
「まず区役所へ行けばいい?」
「ケアマネジャーにお願いするの?」
「施設へ直接申し込んでもいい?」
「要介護認定を受けていないと入れない?」
「特養と有料老人ホームでは入り方が違う?」
など、最初の手続きで迷う方は少なくありません。
実は「介護施設」と呼ばれていても、施設によって入所条件や申込み方法は異なります。
そのため、いきなり申込書を探すよりも、
現在の状態を確認する
↓
利用できる施設種類を知る
↓
候補施設を探す
↓
その施設に合った方法で申し込む
という順番で考えることが大切です。
この記事では、大阪市で介護施設への入所を考えている方へ、施設ごとの違いから実際に申し込むまでの流れを分かりやすく解説します。
まず知っておきたい|「介護施設」は全部同じではありません
介護施設を探し始める前に、ここを整理しておきましょう。
一般的に「介護施設」と呼ばれるものには、さまざまな種類があります。
| 施設種類 | 主な役割 | 入所を検討するケース |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 長期的な生活・介護 | 常時介護が必要で在宅生活が難しい |
| 介護老人保健施設(老健) | リハビリ・在宅復帰支援 | 退院後などに在宅復帰を目指す |
| 介護医療院 | 長期療養・生活 | 継続的な医療と介護が必要 |
| 介護付き有料老人ホーム | 生活+介護 | 介護を受けながら生活したい |
| 住宅型有料老人ホーム | 住まい+生活支援 | 必要に応じて介護サービスを利用したい |
| グループホーム | 認知症の方の共同生活 | 認知症があり生活支援が必要 |
つまり、
「介護が必要だから介護施設へ申し込む」
だけではなく、
「現在の状態なら、どの種類の施設が候補になるのか」
から考える必要があります。
STEP1|まず要介護認定の状況を確認する
介護保険の施設サービスを利用する場合、最初に確認したいのが要介護認定です。
大阪市では、介護保険サービスを利用するためには要介護・要支援認定の申請を行い、介護や支援が必要な状態について認定を受ける必要があります。
まだ認定を受けていない場合は、
要介護認定を申請
↓
認定調査など
↓
要介護度が決定
↓
利用できる介護サービスを検討
という流れになります。
すでに認定を受けている場合
「要介護2」「要介護4」など、現在の要介護度を確認しておきます。
認定を受けていない場合
大阪市で要介護認定の申請手続きを行います。
申請について分からない場合は、お住まいの区の保健福祉センター介護保険担当などへ相談できます。
STEP2|「なぜ施設へ入りたいのか」を整理する
ここが意外と重要です。
例えば、同じ要介護3でも、
Aさん
一人暮らしで認知症が進み、自宅生活を続けることが難しい。
Bさん
入院後に身体機能が低下したため、リハビリをして自宅へ戻りたい。
Cさん
医療的な管理を受けながら長期的に生活する場所が必要。
では、検討する施設が変わる可能性があります。
まず、
- 長期的に生活する場所を探している
- リハビリをして自宅へ戻りたい
- 医療と介護の両方が必要
- 認知症に対応した施設を探している
- 退院後すぐ生活できる場所が必要
など、施設へ入りたい理由を整理しましょう。
介護施設の種類が分からないときの簡易チェック
現在の状況に近いものを確認してみてください。
自宅での生活を続けるのが難しい
→ 特養や有料老人ホームなどを検討
退院後、すぐ自宅へ戻るのが難しい
→ 老健なども検討
長期的な医療と介護が必要
→ 介護医療院なども検討
認知症があり共同生活が可能
→ グループホームなども検討
これはあくまで大まかな目安です。
実際には要介護度や身体状態、医療、認知症の状態などによって利用できる施設が異なります。
STEP3|特別養護老人ホームへ入る場合
特別養護老人ホーム、いわゆる「特養」は、常時介護が必要で自宅での生活が難しくなった方などが検討する施設です。
大阪市では、新規入所について原則要介護3以上が対象となっています。
要介護1・2でも、一定の特例入所要件に該当する場合には対象となることがあります。
特養はどこへ申し込む?
大阪市の場合、希望する特別養護老人ホームへ直接申し込みます。
基本的には、
入所したい特養を探す
↓
施設へ相談
↓
必要書類を準備
↓
希望施設へ直接申し込む
↓
施設で入所選考
↓
入所
という流れです。
「大阪市へ申し込めば、市が施設を決めてくれる」という仕組みではありません。
特養は「申込みが早い人から入れる」とは限らない
特養への入り方で特に知っておきたいポイントです。
大阪市では、介護の必要度やご家族等の状況を踏まえて、入所の必要性が高いと認められる方が優先される仕組みになっています。
そのため、
「1年前から申し込んでいるから次に入れる」
とは限りません。
例えば、
- 介護の必要性
- 現在の生活状況
- 家族による介護の状況
などを含めて入所の必要性が判断されます。
特養の申込みにはケアマネジャーとの連携も重要
大阪市の特養への申込みでは、入所申込書だけでなく、原則としてケアマネジャー等が本人の状況に基づいて記載する「入所選考調査票」と必要な添付資料を提出します。
そのため、担当ケアマネジャーがいる場合は、
「特養への入所を考えている」
と早めに相談しておくとよいでしょう。
特養については、本人・家族だけで手続きを完結させるというより、ケアマネジャーとも連携しながら進めるイメージです。
STEP4|介護老人保健施設へ入る場合
介護老人保健施設(老健)は、特養とは目的が異なります。
大阪市では、老健について、病状が安定し、家庭へ戻るための機能回復訓練や看護・介護を必要とする要介護1~5の方を入所対象としています。
つまり、
「これからずっと暮らす施設を探したい」
という場合と、
「リハビリを受けて自宅復帰を目指したい」
という場合では、選ぶ施設が違ってくるということです。
老健への申込み
大阪市では、老健への入所申込みについては各施設へ相談するよう案内されています。
入院中の場合は、病院の相談員などとも相談しながら進めるとよいでしょう。
STEP5|有料老人ホームへ入る場合
有料老人ホームは、特養などの介護保険施設とは申込みの考え方が異なります。
一般的には、気になる施設へ問い合わせ、
資料請求・相談
↓
施設見学
↓
本人の状態確認
↓
入居申込み
↓
面談・必要書類等の確認
↓
契約
↓
入居
という形で進めます。
ただし、入居条件や必要書類、審査方法は施設によって異なります。
そのため、候補が決まったら、
「本人の状態で入居できますか?」
と具体的に確認することが重要です。
STEP6|グループホームへ入る場合
グループホームは、認知症の方が少人数で共同生活を送る施設です。
ただし、
「認知症があれば誰でも入れる」
わけではありません。
要介護認定や認知症の状態などの条件があり、地域密着型サービスのため住所地に関する利用条件にも注意が必要です。
候補施設が見つかったら、現在の住所や要介護度、認知症の状態を伝え、入居対象になるか確認しましょう。
施設別|最初に相談する相手を整理
「結局、誰に連絡すればいいの?」
という方は、次の表を参考にしてください。
| 状況 | 最初の相談先の例 |
|---|---|
| 施設種類から分からない | ケアマネジャー・地域包括支援センターなど |
| 特養へ入りたい | ケアマネジャー+希望する施設 |
| 老健を検討している | 希望する老健・ケアマネジャー・病院など |
| 入院中 | 病院の相談員など |
| 有料老人ホームを探したい | 各施設・紹介サービスなど |
| 認知症で施設を探している | ケアマネジャー・施設など |
| 要介護認定を受けていない | 大阪市の要介護認定に関する窓口 |
大切なのは、施設種類によって入口が違うことです。
STEP7|候補施設へ伝える情報を準備する
介護施設へ相談するときは、ご本人の情報を簡単にまとめておくと話が進みやすくなります。
入所相談チェックシート
- 年齢
- 現在の住所
- 現在の生活場所
- 要介護度
- 認知症の有無・状態
- 歩行・移動の状態
- 食事・入浴・排泄の介助
- 持病
- 必要な医療ケア
- 服薬状況
- 希望する入所時期
- 毎月の予算
- 希望する地域
- 現在一番困っていること
特に重要なのが、
「何ができるか」だけではなく「現在何に困っているか」
を伝えることです。
介護施設へ相談するときの伝え方
例えば、
「母の介護施設を探しています」
だけでも相談できますが、もう少し具体的にするとスムーズです。
相談例
「84歳の母で要介護3です。現在は大阪市内で一人暮らしをしていますが、最近は歩行と入浴に介助が必要になり、自宅での生活が難しくなってきました。認知症もあります。長期的に生活できる介護施設を探しています」
ここまで伝えれば、施設側も入所対象になるかを確認しやすくなります。
STEP8|申込み=入所決定ではない
介護施設へ申し込んでも、その時点で必ず入所できるとは限りません。
施設によって、
- 入所条件
- 本人の身体状態
- 介護の必要性
- 医療対応
- 認知症への対応
- 空床状況
などを確認します。
特に特養では、申込み後に大阪市の入所選考指針に基づいて入所決定が行われます。
そのため、
「申し込んだから待っていれば大丈夫」
と考えるのではなく、現在の状況が変化した場合には担当者などへ相談することも大切です。
特養は複数施設への申込みも検討する
大阪市が公表している特養の入所申込状況では、一人で複数施設へ申し込んでいる場合、それぞれの施設の申込者数に計上されています。
つまり、複数施設への申込みが行われているケースもあります。
「自宅から一番近い特養だけ」
に限定するのではなく、
家族が通える範囲で複数候補を確認する
という方法も検討してみましょう。
ただし、施設ごとの空床状況は日々変化します。
現在の状況については各施設へ確認する必要があります。
入所を急いでいる場合は最初に期限を伝える
特に注意したいのが、入院中のケースです。
例えば、
「来月までに退院予定」
なのであれば、施設への相談時に必ず伝えます。
急いでいる場合の優先順位
1.必要な介護に対応できる
↓
2.必要な医療に対応できる
↓
3.希望時期に受け入れ可能
↓
4.予算内である
↓
5.地域・設備などの希望
すべての希望条件にこだわると、期限までに候補が見つからない場合があります。
安全な生活に必要な条件を残しながら、調整できる条件を整理しましょう。
入所前に確認|「いつまで住める施設なのか」
介護施設への入り方を調べると、どうしても「どうすれば入れるか」ばかりに目が向きます。
しかし、本当に確認したいのは入所した後です。
例えば、
- 介護度が上がった場合
- 認知症が進行した場合
- 医療ケアが必要になった場合
- 入院した場合
- 看取りが必要になった場合
にどうなるのかを確認しましょう。
特に老健のように在宅復帰支援を目的とする施設と、長期的な生活を想定して検討する施設では役割が異なります。
「入れるか」だけではなく「何のために入る施設なのか」まで理解して選ぶことが大切です。
大阪市で介護施設へ入るまでの流れを整理
最後に全体の流れをまとめます。
| STEP | やること |
|---|---|
| 1 | 要介護認定の状況を確認 |
| 2 | 施設へ入りたい理由を整理 |
| 3 | 自分に合う施設種類を確認 |
| 4 | 大阪市内の候補施設を探す |
| 5 | ケアマネジャー等へ相談 |
| 6 | 候補施設へ問い合わせ |
| 7 | 本人の状態・入所条件を確認 |
| 8 | 見学・必要書類を準備 |
| 9 | 入所申込み |
| 10 | 選考・面談・契約等を経て入所 |
ただし、すべての介護施設がこの順番になるわけではありません。
施設種類や本人の状態によって手続きが異なるため、候補が決まった段階で施設へ確認しましょう。
よくある質問
要介護認定を受けていないと介護施設へ入れませんか?
介護保険の施設サービスである特養・老健・介護医療院は、要介護認定を受けた方が対象です。
一方、有料老人ホームなどは施設によって入居条件が異なるため、各施設へ確認する必要があります。
特養はどこへ申し込めばいいですか?
大阪市では、希望する特別養護老人ホームへ直接申し込みます。
入所申込書のほか、原則としてケアマネジャー等が記載する入所選考調査票や必要な添付資料が必要です。
特養は要介護2でも入れますか?
新規入所は原則要介護3以上ですが、要介護1・2でも一定の特例入所要件に該当する場合は対象となることがあります。
老健にはずっと住めますか?
老健は、リハビリテーションなどを提供し、在宅生活への復帰を支援する役割を持つ施設です。
長期的な生活場所を探している場合は、施設の目的を理解したうえで他の選択肢も含めて検討しましょう。
どの介護施設に入ればいいか分かりません
まずは、現在の要介護度、必要な介護・医療、入所する目的を整理してみましょう。
担当ケアマネジャーや地域包括支援センターなどへ相談するほか、具体的な施設探しについて老人ホーム・介護施設紹介サービスへ相談する方法もあります。
まとめ|大阪市の介護施設は「どこへ入りたいか」で手続きが変わる
大阪市で介護施設への入所を考える場合、
介護施設を探す
↓
空いているところへ申し込む
だけではありません。
まず、
要介護認定を確認する
↓
施設へ入る目的を整理する
↓
特養・老健・介護医療院・有料老人ホームなどから候補を考える
↓
施設に合った方法で相談・申込みを行う
という流れで考えましょう。
特養と老健では施設の目的が違いますし、有料老人ホームとも申込み方法が異なります。
「介護施設への入り方が分からない」という場合は、最初から施設を決めようとせず、ご本人にはどの種類の施設が合うのかを整理するところから始めることが大切です。
株式会社RMでは、大阪市を中心に老人ホーム・介護施設探しをサポートしています。
「どの介護施設へ申し込めばいいか分からない」
「特養と有料老人ホームのどちらが合う?」
「退院までに介護施設を探したい」
「認知症や医療対応が必要でも入れる施設を探したい」
「家族だけでは施設探しや手続きを進められない」
といった段階からでもご相談いただけます。
ご本人の要介護度や身体状態、必要な医療、ご予算、希望地域、入所希望時期などを整理しながら、条件に合った介護施設探しをサポートいたします。

